今回はFX(外国為替証拠金取引) についてのお話を少し。
ワタシはかれこれ13年ほどスワップポイント 目当てで トルコリラ を保有しています。このトルコリラを保有した経緯や、現在までの収支などを紹介していきたいと思います。
2008年当時は為替レートが85円もあったトルコリラですが、サブプライム問題・リーマンショックでの大暴落やトルコの国内情勢の悪化などで2018年には史上最安値の14円台を記録しました。
2019年9月時点では19円前後を行ったり来たりで落ち着いていますが、今後のトルコリラの見通しはどうなるのでしょうか?
追記:2024年5月時点では4円台です。
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FXとは?
そもそもFXとはどういう事を表すのでしょうか?
FXとは Foreign eXchange の略語ですね。正式には 外国為替証拠金取引 と呼ばれています。
為替とは?
我々がアメリカ旅行へ出かけた場合にアメリカ本国では日本円で商品を買う事が出来ません、なのであらかじめ日本でアメリカの紙幣の$(ドル)に両替してから旅行へ出かけます。
為替とはこの日本円と$(ドル)を交換する時の決まりごとみたいな物で、この為替は毎日変動しています。
- 円高⇒$(ドル)の価値が下がる。円の価値が上がる。
- 円安⇒円の価値が下がる。$(ドル)の価値が上がる。
このように2国間の為替の上がり下がりを利用して差額を儲けようというのがFX(外国為替証拠金取引)です。
FXではキャピタルゲインやインカムゲインが稼げる
FXで利益を上げるには大まかには2種類の方法があります。
- 為替差益で利益を上げる⇒キャピタルゲイン
- スワップポイントで利益を上げる⇒インカムゲイン
為替差益(キャピタルゲイン)での利益の上げ方
FXで初めて為替を買う人は日本の円で外国の為替を買うと思います、アメリカ$(ドル)やオーストラリア$(ドル)その他では南アフリカランドなどですね。
アメリカ$(ドル)が現在108円なので1万通貨を購入すると総額で108万円になります。
半年後に
110円に上がった\(⌒∇⌒)/
108万円で購入⇒110万円に、為替差益プラス2万円
反対に
106円に下がった。・゚・(ノД`)・゚・。
108万円で購入⇒106万円に、為替差損マイナス2万円
単純に上がるか下がるかを予想するだけの話なんですが、これが中々思うようには行かないのが現実ですね。
スワップポイント(インカムゲイン)で利益を得る
為替差損はその名の通り損をする場合がありますが、スワップポイントは持ち続ければ必ず利益を得られます※例外もあります。
例えると今現在の日本の政策金利は0.1%になります(笑)、なので銀行に100万円を貯金しても雀の涙程度の利息しか付きません。
その一方で外国では政策金利が高い国もあります。
各国の政策金利(%)2024年5月更新
国名 | 政策金利 |
---|---|
日本 | 0.10% |
アメリカ | 5.50% |
ユーロ | 4.50% |
オーストラリア | 4.35% |
南アフリカ | 8.25% |
トルコ | 50.00% |
メキシコ | 11.00% |
ワタシの保有しているトルコリラは政策金利が16.5%もあります。
追記:2024年5月時点では50.00%になっています。
トルコで銀行に100万円を預けると1年間に50万円の利息が貰えます、と言う事はトルコリラを100万円分日本円で買うと49.9%の利息がもらえる事になります。
この場合は100万円に対して利息が1年間で49.9万円なので、365日で割ると1,367円になります。この1日分の利息を スワップポイント と呼んでいます。
なのでポジションを保有しているだけで毎日利息がもらえる事になります。
先ほど言った例外とは逆の場合ですね。今までは日本円を売ってトルコリラを購入しましたが、トルコリラを売却して日本円を買うと逆に毎日1,367円を支払わなければなりません。
これら一連の取引を仲介してくれるのがFX会社です。もちろんボランティアではないので手数料を支払わなければなりません、代表的なものがスプレッドですね。
通貨を購入する時の買値(ASK)と売却する時の売値(BID)の差、通常では買値の方が売値よりも高い。
FXの基本では買値(ASK)と売値(BID)は同じではありません。
このように常に売値(BID)より買値(ASK)が髙く設定されており、この差額がFX会社の利益になっているのですね。当然購入した瞬間に売却すると必ず損をします(笑)。
ところでFX会社も星の数ほどあり、ワタシが最初にトルコリラを保有したのはヒロセ通商株式会社でした。
ところがTRY/JPYの取引が無くなると言われ、2つの選択を迫られた記憶があります。
- 決済してしまう。
- サクソバンク証券へ移行する
という事で今では サクソバンク証券でポジションを保有しています。
トルコリラを保有した経緯
今から12年前の2008年頃はFXの流行りの頃でチャートも右肩上がりだったので最初はニュージーランド$(ドル)を買って小遣い程度の金額を稼いでいました。
その後に高金利のトルコリラという通貨を知りました。
当時のトルコの政策金利は18%くらいでトルコリラ/円のレートが80円ほどだったので、1万通貨を保有すると総保有ポジションは80万円になります。
スワップポイントを計算すると1日400円弱(笑)。これを10万通貨保有すると、スワップポイントだけで1日4,000円(笑)。
『仕事しなくても食べていけるジャンww。』と安易な気持ちでトルコリラを保有しました。
下記がポジションを保有したての頃、2008年7月15日の取引画面です。
総入金額 | 100万円 |
---|---|
総保有ポジション | 8万通貨 |
現在のレート | 85.910 |
損益評価額 | 77,446円 |
100万円の資金でトルコリラを8万通貨保有していました。トルコの当時のレートが85円なので、85万円×8=680万円。
100万円の資金で680万円分のトルコリラを保有するのでレバレッジは6.8倍ですね。
ちなみに1日のスワップポイントは以下画像の通りです。
403円×8=3,224円!!
座っているだけでこの金額(笑)。
1か月で100万円が170万円に!
2008年8月1日の取引画面です。
総入金額 | 100万円 |
---|---|
総保有ポジション | 8万通貨 |
現在のレート | 93.08 |
損益評価額 | 708,326円 |
100万の元手が170万円に!と喜んでいたのもつかの間でした。
サブプライム問題・リーマンショックでまさかの為替大暴落
そして下記が大暴落に巻き込まれて急降下して行くトルコリラの2008年10月10日の取引画面です。資金を150万円追加、さらにポジションを5万通貨買い足しました。
総入金額 | 250万円 |
---|---|
総保有ポジション | 13万通貨 |
現在のレート | 70.270 |
損益評価額 | ▲1,198,987円 |
( TДT)。。。
見事に真っ赤(笑)。
プラス70万からマイナス120万に、まさに天国と地獄。
更に2008年10月22日の取引画面です。60万円追加入金、そして2万通貨を売却しました。
総入金額 | 310万円 |
---|---|
総保有ポジション | 11万通貨 |
現在のレート | 57.580 |
損益評価額 | ▲2,308,011円 |
確定損失額 | ▲441,309円 |
(((( ;゚д゚))))アワワワワ
トルコリラを2万通貨売却したので確定損失は
- ▲221,112
- ▲220,197
計▲441,309円。
このお金は2度と帰って来ませんorz。
一方で、1日のスワップポイントは何とか240円で持ちこたえていました。
更に10月28日に3万通貨を売却しました。
トルコリラ3万通貨で負債額は▲851,087円でした。
総入金額 | 340万円 |
---|---|
総保有ポジション | 8万通貨 |
現在のレート | 63,605 |
損益評価額 | ▲1,090,078円 |
確定損失額 | ▲1,292,396円 |
結局負債額は230万円にも膨れ上がりました。
リーマンショックから1年後
世紀の大暴落から1年後の取引画面を見てみましょう、2009年10月1日の取引画面です。
総入金額 | 340万円 |
---|---|
総保有ポジション | 8万通貨 |
現在のレート | 59.735 |
損益評価額 | ▲958,857円 |
確定損失額 | ▲1,292,396円 |
1日のスワップポイントは100円を切っていました。
!?
物凄い減っていますね(笑)。
2009年のトルコの政策金利は6.75%に。
1年前の同時期が16.75%だったので、実に3分の1ほどに下落したことになります。
サブプライム問題・リーマンショックでトルコリラが大暴落したので、ワタシとしてはロスカットされないように資金を投入して、
塩漬け
状態で、トルコの経済が回復してトルコリラ/円のレートが上がるのを待つしか方法がありませんでした。
リーマンショックから5年後
2008年から5年後の2013年10月1日の取引画面を見てみます。
総入金額 | 340万円 |
---|---|
総保有ポジション | 8万通貨 |
現在のレート | 48.760 |
損益評価額 | ▲942,624円 |
確定損失額 | ▲1,292,396円 |
トルコリラ/円の為替レートは48円台になりました。2009年10月1日の為替レートが59.735で2013年10月1日現在が48.76なので、4年間で10.975円下落した計算になります。
純資産が1,746,393円⇒1,763,914円とマイナス17,521円です。実際には10.975円×8万通貨=87万8千円の為替差損が発生したのですが、自分の保有ポジションにスワップポイントが上乗せされているから僅かな損失で済んでいる訳ですね。
リーマンショックから8年後
そんなこんなで、トルコリラを塩漬けにして8年目に突入しました(笑)。相変わらず上昇の気配すら見られないトルコリラですが、2016年5月23日の取引画面を見てみましよう。
総入金額 | 340万円 |
---|---|
総保有ポジション | 8万通貨 |
現在のレート | 36.465 |
ポジション評価額 | ▲1,696,120円 |
確定損失額 | ▲1,292,396円 |
ついに30円台突入www、これは無くなる勢い(笑)。現在の総マイナス額が300万円ほどになりました。
総入金額が340万円で現在の純資産が約160万円なのでワタシの今現在のトルコリラでの損失は180万円になります。
85円で購入したトルコリラが現在37円なので、為替レートが48円も下がった事になりますね(笑)。
単純計算で48円×8万通貨で384万円の為替差損ですが、200万円はスワップポイントで返済したことになります。
リーマンショックから11年後
リーマンショックから11年経ちました、時代は平成から令和へ新時代の幕開けになります。
令和へ時代が変わってもトルコリラの下落は止まりません、2019年9月24日の取引画面を見てみましょう。
ちなみに80万円を追加入金して更に2万通貨追加購入しています。
総入金額 | 420万円 |
---|---|
総保有ポジション | 10万通貨 |
現在のレート | 18.895 |
損益評価額 | ▲3,457,640円 |
確定損失額 | ▲1,292,396円 |
2018年8月にはトルコリラ史上最安値の14.621円を記録しましたが、そこから少し持ち直して現在は19円前後を行き来しています。
総入金額が420万円で現在の純資産が約160万円なので、ワタシの今現在のトルコリラでの損失は260万円になります。
リーマンショックから12年後
リーマンショックから12年が経ちました、今年は世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るい経済に大打撃を与えています。
そんな状態にもかかわらずトルコリラは我関せずと相変わらず下落を続けています(笑)、以下は2020年7月28日の取引画面です。
総入金額 | 420万円 |
---|---|
総保有ポジション | 10万通貨 |
現在のレート | 15.08 |
損益評価額 | ▲3,848,785円 |
確定損失額 | ▲1,292,396円 |
入金額420万円に対して純資産が125万円なので損失額は295万円です。
リーマンショックから13年後
リーマンショックから13年後になりましたが、トルコリラは12円台をウロウロしており上昇の気配すら見えません。
総入金額 | 420万円 |
---|---|
総保有ポジション | 10万通貨 |
現在のレート | 12.479 |
損益評価額 | ▲4,094,341円 |
確定損失額 | ▲1,292,396円 |
入金額420万円に対して純資産が111万円なので損失額は309万円です。
15.08⇒12.479=2.601、2.601×100,000万通貨=26.1万円が為替差損。口座のマイナス分は14万円なのでスワップポイント分が12万円ほどだった訳ですね。
トルコリラをあと何年保有すれば損失がなくなるのか?
今現在で309万円の損失があるトルコリラですが、あと何年ポジションを保有すれば損失をゼロに持って行けるのでしょうか?
現在の1日のスワップポイントは?
サクソバンク証券での2020年7月のトルコリラのスワップポイントは、1日およそ50円と言ったところでしょうか?
現在10万通貨を保有しているので、1日に獲得するスワップポイントは約500円になります。これを365日貰えるので、500円×365で年間182,500円。
309万円を完済するまでには、3,090,000円÷182,500円=16.93年。
これはスワップポイントのみの計算なので、為替レートが10円上がると為替差益で100万円プラスされるので、返済期間が短くなります。
まとめ
2008年にスワップポイント目当てでトルコリラを保有しましたが、リーマンショックを経て2021年現在ではトルコリラ/円の為替レートは6分の1以下になってしまいました。
大きな損失を出してしまいましたが、このままトルコリラを意地でも持ち続けて損失をゼロにしていきたいです。
トルコの国内情勢も少しは落ち着いてきたみたいなので、さすがにこれ以上為替レートが下がることはないと思いたいです。
今現在のトルコリラのスワップポイントは1日約50円なので、1万通貨を1年間持ち続けると18,250円の利息が貰えることになります。
これは国内の銀行の金利と比べてもかなりお得な数字になりますね。
その点は自己責任になるので、じっくりと考えてポジションを保有しましょう。
ワタシが一番最初にトルコリラを保有したのが、ヒロセトレーダーというFX会社でした。ところがトルコリラの扱いが終了したので仕方なくサクソバンク証券へ移行しました。
このサクソバンク証券は半年間取引をしなければ1万円の口座維持手数料を請求されます(怒)。ワタシは放置していたので、おそらく5万近く払っているのではないでしょうか? ※現在は口座維持手数料は廃止されました。
ヒロセトレーダーがLION FXとしてトルコリラを扱い出したので、そちらの方が良かったと悔やんでいます。スワップポイントもヒロセの方が少しばかり良いんですねorz。
LION FXは1,000通貨から取引出来るので、FX初心者にはお勧めの会社です。
2021年10月追記
2021年10月11日に全ポジションを決済しました、理由は以下の4点。
- トルコリラの今後の見通しが良くない
- 本当にスワップポイントが付与されているか不明
- サクソバンク証券のサポートが不誠実
- 仮想通貨の方が稼ぎやすい
トルコリラがこれから上昇するのであれば我慢しますが、あまり良くないうわさも聞くので先行きが不透明です。
また本当にスワップポイントが付与されているのか疑問に思えてきました、今までは「オープン」で保有している平均額が記載されていました。
スワップポイントが付与されるたびにこの「オープン」の値が下がってきたわけですが、ここ数年は全く変わっていません。
サクソバンク証券のサポートに問い合わせてみても何だか曖昧な回答ばかりで疑問は解決しませんでした。
このまま資産が減り続けるならば他へ投資した方がマシなのでようやく踏ん切りがついた感じです。
結局手元に残ったのは109万円です、入金したのが420万円なので311万円のマイナスとなりました。
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