みずほ証券が2022年7月19日にリニューアルした関係で、IPO/POの抽選参加申し込み時に買付金額に相当する金銭(MRF・預かり金)が不要となりました。
みずほフィナンシャルグループの子会社であるみずほ証券では、2021年度のIPO主幹事数は34件と5大証券ではナンバーワンの数字でした。
2021年度IPO主幹事数 12月更新 新規上場企業数 126 主幹事証券会社数 151
この数字を見ても分かる様にIPOで当選する為には「みずほ証券」は欠かせない証券会社になります。
そこで今回は「みずほ証券」のIPOルールや抽選方法・前受金の有無・売却時の手数料・当選のコツなどをまとめました。
\みずほ証券のIPOルール/
主幹事実績 (2021年) |
34件 |
---|---|
申し込める口数 | 1口座1単元 |
同資金重複申込 | 可 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選 10%以上 |
BB時の買付余力 | 不要 |
資金拘束のタイミング |
購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠当選・落選 |
抽選発表時間 | 抽選日の翌日午前6:00 |
NISA口座買付 | 可 |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 181万 |
即時入金 | みずほ銀行 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 PayPay銀行 ゆうちょ銀行 |
※記事内の価格はすべて税込価格です。
みずほ証券の主幹事/幹事実績
みずほ証券では2021年度に主幹事を引き受けた件数は34件です、IPO全体の主幹事数が126件なので27%を占める事になりますね。
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
84社(34) | 62社(21) | 54社(13) |
みずほ証券のIPOルール【ブックビルディング編】
申し込める口数は1口座1単元
みずほ証券のIPOで申し込める口数は原則1人1単元(100株)です、なので当選するのも100株になります。
ちなみに公募価格が1,000円未満のIPOの場合は例外的に200株単位で申し込める場合もあります。
この場合は当選確率が1/2になってしまいますが、当選すると100株の倍の利益が見込めます。
ブックビルディング時に前受金が必要⇒不要になりました
みずほ証券のIPOルールが変更され2022年7月19日の午前6時以降は抽選に参加するための前受金が不要になりました。
IPOのブックビルディングに参加する場合は前受金が必要になります、必要な資金は「仮条件 × 申込株数」です。
例えば以下の場合では仮条件が2,210円~2,250円となっているので、上限いっぱいの2,250円 × 100株=22万5千円の資金が必要になります。
同一資金での複数IPO銘柄への申込が可能⇒資金が不要になりました
抽選に参加する前受金が不要になったので0円で複数IPO銘柄への申込が可能になりました。
以下の3銘柄に同時に申し込む場合は3銘柄の合計金額ではなく一番高い銘柄の金額を入金すれば良いです、ここではC銘柄の50万円でOKです。
A銘柄 20万円
B銘柄 30万円
C銘柄 50万円
この様に最小の資金で複数のIPOに申し込めるので資金効率がアップします。ワタシの場合はみずほ証券にIPO資金を50万円入金していますが、ほとんどこの金額で足りています。
ちなみに5大証券会社では同一資金申込の可否は以下の様になっています。
証券会社名 | 同一資金申込可否 |
---|---|
大和証券 | ◎ |
SMBC日興証券 | × |
野村證券 | 資金不要 |
みずほ証券 | 資金不要 |
SBI證券 | ◎ |
みずほ証券のIPOルール【抽選編】
配分割合と抽選方法
みずほ証券では割当株数の10%がネット抽選に回ります、ちなみに抽選方法は完全平等抽選制を導入しています。
ダイレクトコースの配分割合は10%
みずほ証券では2種類の取引コースが用意されています。
\みずほ証券の取引コース/
取引コース | 特徴 | IPO配分 |
---|---|---|
3サポートコース | 資産運用の相談や投資アドバイスが受けられる | 90% |
ダイレクトコース | ネットやコールセンターを利用して取引を行う | 10% |
「3サポートコース」で取引した場合はIPOの配分が90%なのでお得に思いますが、「3サポートコース」では取引金額や回数が多い顧客にIPOを回す「裁量配分」となっています。
ダイレクトコースの抽選方法は「完全平等抽選」
みずほ証券ダイレクトコースの抽選配分は10%ですが、コンピューターによる無作為で抽選が行われる完全平等抽選制を導入しています。
なのでIPO参加歴10年のベテランでも1年目の初心者でも同じくらい当選チャンスがあります。
抽選発表時間と抽選結果
抽選発表時間
みずほ証券IPOの抽選結果が発表されるのは公募価格決定(抽選)日の翌朝6~7時半です。
メール通知サービスを利用している場合は抽選日翌日の午前7:30頃にメールが配信されます。
\抽選結果の発表日時/
平日 | 土・日・祝日 |
---|---|
公募価格決定日の翌日午前6:00 | 公募価格決定日の翌日午前6:00 |
抽選結果
抽選結果は以下の3通りです。
当選 | 注文して購入可能 |
---|---|
補欠当選 | 購入申込可能だが当選者が購入を放棄した場合に割り当てられる |
落選 | 購入不可 |
当選・補欠当選した場合は購入申込期間中に忘れずに購入申込を行いましょう、この場合は「公募価格 × 当選株数」分の資金が必要になります。
補欠抽選の結果は購入申込最終日の翌日7:00頃に発表されます。繰り上げ当選の場合は「約定済」と、繰り上げ当選無しの場合は「落選」と表示されます。
資金拘束・解放のタイミング
みずほ証券が2022年7月19日にリニューアルした関係で、IPO/POの抽選参加申し込み時に買付金額に相当する金銭(MRF・預かり金)が不要となりました。
みずほ証券では資金が拘束されるのは購入申込時です、当選・補欠当選した時点では資金拘束は受けません。
補欠当選で購入申込を行った場合は資金が拘束されますが、繰り上げ当選しなかった時点で解放されます。
NISA口座での買付が可能
みずほ証券ではNISA口座での買付が可能です、当選後の購入申込時に「預かり口座区分」で「NISA口座」を選択する事によりNISA枠で購入できます。
NISA枠を利用する事で年間120万円までの譲渡益が非課税になります、もちろんIPOで得た利益も非課税になります。
\IPO初値売り売却益が20万円の場合/口座区分 | 課税率 | 支払う税金 |
---|---|---|
特定・一般口座 | 所得税15.315% 住民税5% ※復興特別税を含む | 4万630円 |
NISA口座 | 非課税 | 0円 |
注意点として買付金額が非課税枠の範囲を超えた場合(年間120万円)は購入できません。
当選辞退に対するペナルティなし
みずほ証券でIPO当選(補欠当選含む)時に購入を辞退したり購入申込を忘れた場合でもペナルティ等の罰則はありません。
IPOの場合は全ての銘柄で利益が上がる事は無く、ごくまれに公募価格割れを起こす場合があります。
みずほ証券のIPOに手当たり次第に申し込んでいて、評価DやEなどの銘柄に当選した場合は公募割れが心配になります。
この場合は当選を辞退する事も選択できます、もちろんペナルティ等の罰則はありません。
みずほ証券の手数料
現物株式売買手数料
みずほ証券でIPOに当選した場合は購入手数料は無料ですが、売却時には手数料がかかります。
みずほ証券【ダイレクトコース・インターネット取引】の手数料は「通常プラン」と「1日定額プラン」に分かれています。
通常プラン | 1約定ごとの約定金額に対しての手数料 |
---|---|
1日定額プラン | 1日の合計約定代金に対してかかる手数料 |
通常プラン「インターネット取引」の売買手数料
通常プラン 現物取引 | |
---|---|
約定代金 | 手数料(税込価格) |
最低手数料 (301,904円以下の約定代金) |
1,045円 |
~100万円 | 約定代金×0.34650% |
~300万円 | 約定代金×0.26400%+825円 |
~500万円 | 約定代金×0.24750%+1,320円 |
~1,000万円 | 約定代金×0.20790%+3,300円 |
~3,000万円 | 約定代金×0.16830%+7,260円 |
~5,000万円 | 約定代金×0.07590%+34,980円 |
~1億円 | 約定代金×0.00330%+71,280円 |
~5億円 | 一律 84,480円 |
~10億円 | 一律 94,380円 |
例えば売却金額が50万円の場合は50万円×0.34650%=1,732円となります、一般的なネット証券に比べるとかなり割高になりますね。
1日限定プランの売買手数料
1日限定プラン 現物取引 | |
---|---|
約定代金 | 手数料(税込価格) |
最低手数料 | 3,850円 |
~100万円 | 3,850円 |
~200万円 | 6,600円 |
~300万円 | 9,350円 |
~500万円 | 12,100円 |
~1,000万円 | 15,400円 |
~5,000万円 | 1,000万円超1,500万円以下は17,600円 以降500万円ごとに2,200円加算 |
~1億円 | 5,000万円超6,000万円以下は36,300円 以降1,000万円ごとに3,300円加算 |
~5億円 | 53,350円 |
5億円超 | 5億円超10億円以下は57,200円 以降5億円ごとに3,850円加算 |
IPOの場合は100万円以内の場合が多いので「通常プラン」の方がお得になります。
入出金手数料
入金手数料
みずほ証券の口座に入金を行うには3種類の方法があります。
- みずほ証券カード
- 銀行振込
- ネット倶楽部の入金サービス
◆ みずほ証券カード
全国のみずほ銀行ATMや以下の提携金融機関ATMで利用可能です。※振り込み手数料は無料。
\入金可能な提携金融機関/
みずほ銀行/ゆうちょ銀行/三井住友銀行/セブン銀行/イオン銀行
◆ 銀行振込
金融機関の窓口・ATM・インターネットバンキングから振込を行う方法です。※振り込み手数料は顧客負担。
◆ ネット倶楽部の入金サービス
ネット倶楽部の入金サービスは「即時入金サービス」と「インターネット入金サービス」の2通りがあります。
即時入金サービス
みずほ銀行の口座があれば振込手数料無料でリアルタイム入金が可能なサービスです。
こちらの即時入金サービスはみずほ銀行のインターネットバンキング「みずほダイレクト」と契約していない場合でも利用が可能になります。
利用時間は平日の6:00~20:50(リアルタイム)と21:00~23:50(翌営業日入金)です。※土・日・祝日は8:00~21:50(翌営業日入金)。
インターネット入金サービス
提携金融機関の預貯金口座から証券総合口座へ振込手数料無料で入金できるサービスです。
提携金融機関 | 利用可能時間 |
---|---|
みずほ銀行 | 6:00~翌1:30 |
三菱UFJ銀行 | |
三井住友銀行 | |
PayPay銀行 | |
ゆうちょ銀行 | 6:00~23:50/翌0:05~翌1:30 |
出金手数料
みずほ証券から顧客の登録金融機関宛に振込手数料無料で出金可能です。
※平日の11:59以降および土・日・祝日に出金を依頼した場合は翌営業日に振り込まれます。
IPO当選のコツはある?
みずほ証券はIPO取扱数も多く主幹事を引き受ける件数も多いですが、当選確率を上げるコツなどがあるのでしょうか?
ステージ制なども導入しておらず10%の完全平等抽選のみなので、当選確率を上げる事は不可能です。
みずほ証券では同一資金で重複申し込みが出来きるので、抽選資金を常時入金(50万円くらい)してひたすらブックビルディングに参加し続けましょう。
公募割れ濃厚な銘柄に当選した場合は購入を辞退すればOKです、ペナルティ等の罰則はありません。
まとめ
最後にみずほ証券で覚えておきたいIPOルールをまとめておきます。
- 抽選配分は10%の完全平等抽選
- ブックビルディングに前受金が不要
- 資金拘束タイミングが購入申込時
- 当選株をNISA口座で買い付け可能
- 「当選・補欠当選」辞退時にペナルティなし
- 振込手数料が無料の即時入金に5銀行対応
基本的に50万円ほどの資金を常に入金しておいてIPOにフル参加して、公募割れしそうな銘柄のみ当選辞退というスタイルで良いと思います。
追記:前受金が不要になったので、全てのIPO抽選に積極的に参加していきましょう。