IPOで当選確率を上げるためには、なるべく多くの証券会社から申し込む必要があるのは周知の事実です。
大金持ちならいざ知らず、我々のような少ない資金でIPO抽選参加をやりくりしている場合は前受金の用意が大変です。
IPOの他にも株式やFXなどにも資金が必要なので、なるべく少ない資金でIPOの抽選に参加するのが理想になってきますね。
そこで今回はIPOで前受金が不要で抽選に参加できる証券会社を9社紹介していきたいと思います。
IPO抽選に前受金を準備する必要がないので、ノーリスクで当選確率をアップさせることが出来ます。
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IPOのブックビルディングから抽選・購入申込の流れ
仮条件の発表
IPOでは最初に仮条件が発表されて価格の範囲が決定します。
仮条件が発表された直後はまだブックビルディングに参加する事は出来ません、申し込み期間が来るまで待機しておきましょう。
ブックビルディング(需要申告)
ブックビルディングの申し込み期間が来たら仮条件の範囲内で金額を指定して需要申告を行います。
ちなみに注文方法は「成行(SBI証券の場合はストライクプライス)」もしくは仮条件の一番高い金額を設定しておきましょう。
一般的にブックビルディング時点で前受金が必要になる証券会社が大多数を占めています。
IPO抽選
IPO抽選が行われますが、SBI証券やCONNECT証券などはブックビルディング時に前受金を用意する必要ありません。抽選までに用意しておけばOKです。
購入申込
抽選に当選した人がIPO株の購入を申し込みますが、今回紹介する証券会社は購入申込時になって初めて資金を入金する必要があります。
前受金不要でIPO抽選に参加できる証券会社一覧
ここでは前受金不要でIPO抽選に参加できる証券会社を9社挙げていきたいと思います。
野村證券 みずほ証券 SBIネオトレード証券 いちよし証券 DMM証券 松井証券 岡三オンライン証券 エイチ・エス証券 むさし証券 |
野村證券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
64社(28) | 41社(22) | 35社(17) |
野村證券と言えば口座開設数でSBI証券に次ぐ535万口座を誇る大手証券会社です。
IPO取扱数も多く、2021年では引受幹事数が64社(主幹事28社含む)とIPO全体の51%を占めています。
ただし口座開設数が多いマンモス証券でおまけに前受金が不要という事で、競争率も高くなかなか当選出来ないのが現実です。
とは言っても野村證券はIPOで当選確率を上げるためには必ず口座を開設しておきたい証券会社です。
主幹事実績 (2021年) |
28件 |
---|---|
申し込める口数 | 1口座1単元 |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選 10%以上 |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 |
抽選結果発表時間 | 公募価格決定日の18:00以降 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 535万口座 |
即時入金 | 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行 ゆうちょ銀行 りそな銀行 埼玉りそな銀行 スルガ銀行 PayPay銀行 楽天銀行 セブン銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分は全体の10%以上
- 抽選方法は完全平等抽選を採用
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数64社(主幹事28社含む)
野村證券のIPOルール~資金不要で抽選参加可能
みずほ証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
84社(34) | 62社(21) | 54社13) |
2021年のIPO主幹事数は34件と5大証券(SBI・SMBC・みずほ・野村・大和)の中では1番多い数字でした。
そんなみずほ証券では2022年7月19日に新システムに移行した関係で、IPO/POの抽選参加申し込み時に買付金額に相当する金銭(MRF・預かり金)が不要となりました。
ワタシの場合はみずほ証券に常時45万円をIPO抽選資金としてストックしていましたが、前受金が不要となったので資金を全部SBI証券に移しました。
これからは抽選資金が0円でIPOに参加できるので、すべてのIPOに申し込むことが出来ると思います。
主幹事実績 (2021年) |
34件 |
---|---|
申し込める口数 | 1口座1単元 |
同資金重複申込 | 可 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選 10%以上 |
BB時の買付余力 | 不要 |
資金拘束のタイミング |
購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠当選・落選 |
抽選発表時間 | 抽選日の翌日午前6:00 |
NISA口座買付 | 可 |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 181万 |
即時入金 | みずほ銀行 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 PayPay銀行 ゆうちょ銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分は10%
- 抽選配分は「 ダイレクトコース10%・3サポートコース 90%」
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数84社(主幹事34社含む)
みずほ証券【ダイレクトコース】のIPOルールや当選するコツとは?
SBIネオトレード証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
21社(0) | 7社(0) | 5社(0) |
2020年までは「ライブスター証券」でしたが、2021年1月1日よりSBIグループの連結子会社となり「SBIネオトレード証券」に商号変更を行いました。
旧「ライブスター証券」ではあまりIPOの取り扱いは多くありませんでしたが、SBIグループの傘下になった事でSBI証券から委託販売が回りやすくなってくると予想されます。
SBIネオトレード証券の特徴としてSBI証券から割り当てられる株数が100%抽選に回されるという事です。
2021年6月1日以降のIPOから抽選方式が変更されます。
旧 完全平等抽選100%
新 完全平等抽選 10% ステージ制抽選 90%
前受金が不要で100%⇒10%完全平等抽選なので必ず口座を開設しておきましょう、ワタシも2020年の年末に口座開設を申し込みました。
主幹事実績 (2021年) |
0件 |
---|---|
申し込める口数 | 1口座1単元 |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選 10% ステージ制抽選 90% |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 |
抽選結果発表時間 | 抽選結果公表日 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 不明 |
即時入金 | 三井住友銀行 楽天銀行 三菱UFJ銀行 住信SBIネット銀行 りそな銀行 埼玉りそな銀行 関西みらい銀行 ゆうちょ銀行 セブン銀行 PayPay銀行 みずほ銀行 イオン銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分は100%
- 抽選方法は「完全平等抽選 10%・ステージ制抽選 90%」
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数21社(主幹事0社含む)
SBIネオトレード証券のIPOルール【抽選時に資金ゼロで参加可能!】
いちよし証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
42社(4) | 33社(5) | 33社(1) |
いちよし証券も前受金が不要でIPO抽選に参加できる貴重な証券会社で、毎年1~5件ほどの主幹事を引き受けています。
いちよし証券は以前はIPOに申し込む方法は電話だけでしたが、2018年10月1日からインターネットからの申し込みが出来るようになりました。
残念ながらいちよし証券では2020年5月1日にIPO抽選ルールが改悪されて、いちよしダイレクトへの配分比率は全体の1%(以前は10%)になりました。
いちよし証券への配分が10,000本とすると、わずか100本がネット抽選へ回る事になります。
いちよし証券のもう1つのデメリットとして他社との重複申し込みは不可となっている事です、なので他社でブックビルディングに参加している場合はいちよし証券でのブックビルディングには参加できません。
結論的にいちよし証券では平幹事の場合はスルーして主幹事の時だけ抽選に参加すれば良いと思います。
主幹事実績 (2021年) |
4件 |
---|---|
申し込める口数 | 50口まで |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選 1% |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・落選 |
抽選結果発表時間 | 購入申込期間の初日 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 約20万 |
即時入金 (スマート振替サービス) |
ゆうちょ銀行 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 中国銀行 みずほ銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分は全体の1%
- 抽選方法は完全平等抽選を採用
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数42社(主幹事4社含む)
いちよし証券のIPOルール【主幹事実績あり!】
DMM証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
5社(0) | 5社(0) | 3社(0) |
2019年2月からIPOの取扱いをスタートさせたDMM証券ですが、正直取り扱い数は少ないですね。
DMM.com証券の特徴としてブックビルディング(需要申告)は行われずに、申込価格は仮条件の上限価格と決められています。
またDMM.com証券は委託販売を行っているので、抽選参加申し込みをしてもDMM.com証券へ配分されない場合は抽選は行われません。
- 配分あり⇒抽選が行われる
- 配分なし⇒抽選参加申込は失効
IPOに当選した場合はDMM証券から電話かメールが届くので、目論見書を確認して購入期間内に電話で申込みを行います。
主幹事実績 (2021年) |
0件 |
---|---|
申し込める口数 | 1口座1単元 |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選 100% |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 |
抽選結果発表時間 |
抽選結果公表日 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 不明 |
即時入金 | 約340の金融機関で可能 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分は100%
- 抽選方法は完全平等抽選を採用
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数5社(主幹事0社含む)
松井証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
56社(0) | 18社(0) | 21社(0) |
松井証券は株・NISA・先物・FX・投資信託などの豊富な投資サービスを取り扱うネット証券会社で、現物株式・信用取引では1日の約定代金合計50万円以下なら売買手数料が無料になります。
IPOでは購入時は手数料が無料になりますが、売却時には手数料がかかるので50万円までなら無料になる計算です。
残念ながら主幹事を引き受ける確率はあまりないので当選確率は高くないと思います。
主幹事実績 (2021年) |
0件 |
---|---|
申し込める口数 | 10口まで |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選 70% |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 |
抽選結果発表時間 |
抽選日の17時以降 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 約128万 |
即時入金 (ネットリンク) |
ゆうちょ銀行 みずほ証券 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 りそな銀行 埼玉りそな銀行 関西みらい銀行 セブン銀行 福岡銀行 楽天銀行 スルガ銀行 京都銀行 住信SBIネット銀行 ソニー銀行 PayPay銀行 auじぶん銀行 イオン銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分は全体の70%
- 抽選方法は完全平等抽選を採用
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数56社(主幹事0社含む)
岡三オンライン証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
47社(0) | 39社(0) | 37社(0) |
岡三オンライン証券は岡三グループが運営するネット証券で、岡三証券が幹事を務めるIPOで委託が回ってきます。
岡三証券と岡三オンライン証券は2022年1月1日に経営統合を行いました。
岡三オンライン証券は抽選時に前受金が不要の他に、ネット配分100%で完全平等抽選を行ってるのが大きな特徴です。
またIPO銘柄の売却時には現物株式の手数料1日の約定代金合計額が100万円以下で無料にななる「定額プラン」がおすすめです。
ただし岡三オンライン証券自体が主幹事を務めることはないので当選確率はそれほど多くないと思います。
岡三証券が主幹事の場合は自然に配分が多くなるので期待が持てますが、その他の場合はあまり過度の期待は出来ないでしょうね。
主幹事実績 (2021年) |
0件 |
---|---|
申し込める口数 | 複数口申込可能 ※当選株数は1単元 |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | ネット配分100% ※ステージ制抽選方式 |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 |
抽選結果発表時間 |
抽選日の夕方以降 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 約26万 |
即時入金 | みずほ証券 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 りそな銀行 埼玉りそな銀行 PayPay銀行 セブン銀行 楽天銀行 住信SBIネット銀行 スルガ銀行 ゆうちょ銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分は100%
- 抽選方法はステージ制抽選方式を採用
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数47社(主幹事0社含む)
エイチ・エス証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
15社(2) | 10社(1) | 10社(2) |
エイチ・エス証券は2012年に初めて主幹事を引き受けて以来、計6件の主幹事実績があります。
2020年は1件で2021年は2件とコンスタントに主幹事を務めているので、IPO当選の期待が持てる証券会社と言えますね。
エイチ・エス証券の特徴としてネット抽選には配分の10%が回されて「完全平等抽選」が行われます、その後落選者を対象にした「優待抽選」が行われます。
この「優待抽選」では株式の取引等に応じて貯まるIPOポイントを多く使用した顧客が有利になる制度になっています。
エイチ・エス証券でIPO主幹事を務める場合は全力で申し込みを行いましょう。
主幹事実績 (2021年) |
2件 |
---|---|
申し込める口数 | 完全平等抽選は 1口座1単元 |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | ネット配分10% 完全平等抽選 ※優待抽選あり |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 |
抽選結果発表時間 |
抽選日の夕方以降 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 不明 |
即時入金 | ゆうちょ銀行 三井住友銀行 三菱UFJ銀行 みずほ証券 住信SBIネット銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分全体のは10%
- 抽選方法は完全平等抽選と優遇抽選の2種類
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数15社(主幹事2社含む)
むさし証券
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
引受幹事数 ()は主幹事数 |
16社(0) | 11社(0) | 9社(0) |
むさし証券では2017年6月にIPOルールを改定して、ブックビルディング時に前受金が不要になりました。
むさし証券では店頭配分が90%に対してネット配分が10%となっており、抽選方式は1人1口の完全平等抽選です。
IPO幹事数も毎年10件ほどあるのでサブ的な意味でも口座を開設しても良いかなと思います。
ただ主幹事を務める事もなく配分数が圧倒的に少ないので、IPOで当選するのは至難の業になるかもしれませんね。
主幹事実績 (2021年) |
0件 |
---|---|
申し込める口数 | 1口座1単元 |
同資金重複申込 | 資金不要 |
抽選方法と配分割合 | 完全平等抽選10% |
BB時の買付余力 |
不要 |
資金拘束のタイミング | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 |
抽選結果発表時間 |
購入申込期間初日6:00 |
NISA口座買付 |
◎ |
当選辞退のペナルティ | なし |
口座開設数 | 不明 |
即時入金 | 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 りそな銀行 埼玉りそな銀行 PayPay銀行 楽天銀行 住信SBIネット銀行 イオン銀行 関西みらい銀行ゆうちょ銀行 |
- 前受金不要で抽選参加可能
- 抽選配分全体のは10%
- 抽選方法は完全平等抽選を採用
- 当選辞退に対するペナルティなし
- 2021年度の引受幹事数16社(主幹事0社含む)
まとめ
今回紹介した9社の証券会社はブックビルディング時に前受金を入金する必要がなく抽選に参加する事が出来ます。
9社共に当選後に辞退してもペナルティー等はないので全てのIPOにノーリスクで参戦する事が出来ます。
9社の中では野村證券とみずほ証券は確実に口座を開設しておきましょう、主幹事を務める回数が多いのでIPO当選確率が高いです。
本当は9社全部の口座を開設するのが理想ですが、手間や時間がかかるのでなるべく配分数の多い証券会社の口座を開設して当選確率を上げておきましょう。
\5大証券の詳細は以下の記事で紹介しています/
IPOで当選確率の高い証券会社5社を徹底解説『口座開設必須』